ステロイドを飲むとどうなる?副作用は?実際はこんな感じ 10年以上飲み続けている患者がステロイド治療の体感を解説
こんにちは。K子です。
SLEと診断されるとステロイド治療を始めると思います。
ステロイド治療を開始する前に副作用に関する説明の紙を渡されて説明を受けることが多いです。
看護師さんや薬剤師さんから副作用の説明を受けた後、
すごく念入りに説明される…そんなに注意しなきゃいけない薬なの?
こんな感じに思いました。
ステロイド入りの塗り薬を皮膚科で処方してもらうことも多いと思うので、ステロイドは知っているよ、という方も多いと思います。
そんなステロイドですが、塗り薬としては使っている方は多いですが、飲み薬でステロイドを長期間に渡って飲む方は少ないと思います。
私がステロイドを飲み始めた時も話を聞く相手がおらず、不安でした。
ここでは、
- ステロイドの効果
- ステロイドの副作用
- つらかった全身症状がすぐに楽になる(皮膚症状以外)
- 夜眠れない
- ご飯が美味しい。完食しちゃう
- 顔は確かに丸くなる(ムーンフェイス)
- 入院が長く、暇になる
- 体調が悪くても熱が出ない
- 飲み忘れると体がだるい
- ステロイドやめられない
この三点について説明していきます。
これからステロイド治療を始めるみなさんも、ステロイドの説明を受けて心配になったり不安になったりしていると思います。
ステロイドを飲み続けている体感をお話しすることで、少しでもみなさんの不安を解消するきっかけになれば嬉しいです。
一般的に知られているステロイドの副作用
実際にステロイドを飲んだことによる体調の変化・体感
ステロイド治療について思うこと
あくまで個人の感想で、医学的な解説ではないのでご注意ください。
ステロイドの概要 効果はすごいが、副作用も多い
ステロイドの概要から説明していきます。
ステロイドの効果
ステロイドをインターネットで調べると、
ステロイドとは、副腎(両方の腎臓の上端にあります)から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われています。副作用も多いため、注意が必要な薬です。
引用 東京女子医科大学病院 腎臓内科HP https://www.twmu.ac.jp/NEP/steroid.html
こう書いてあります。
ステロイドはもともと、自分の体の中で作られているホルモンの一つです。
薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたりする効果があります。
飲み薬として飲むと熱が下がったり、塗り薬として使うと発疹が治ったり
塗り薬は使ったことがある人も多いと思います。
症状を抑える効果はてきめんです。
すばらしい効果の半面、デメリットもあります。
それは副作用です。
ステロイドは自分の体の中で作られているホルモンのはずなのに、薬として服用すると副作用がすごく多いです。
ステロイドの副作用
インターネットで調べると出てくる代表的な副作用はこちらです。
1.易感染性:免疫力が低下するため感染症にかかりやすくなります。手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるなど感染症対策をして下さい。ステロイドの内服量が多い時は感染予防の薬を内服することもあります。
2.糖尿病、高脂血症、高血圧:過食をしない、塩分制限などの食事療法を行うことが大切です。場合によっては、糖尿病・高脂血症治療薬や降圧薬を内服することがあります。
3.消化性潰瘍:胃や十二指腸に潰瘍ができやすくなります。胃酸分泌を抑制する薬や胃粘膜を保護する薬を内服します。
4.骨粗鬆症:骨が脆くなりやすいため予防薬(ビスホスホネート薬など)を内服します。
5.満月様顔貌:脂肪の代謝障害により起こります。ステロイドの減量で改善します。
6.精神症状:不眠症やうつ病になることがあります。重症な場合は抗うつ薬を内服します。
7.その他:白内障、緑内障、ステロイド筋症、生理不順、痤瘡などがあります。
引用 日本リウマチ学会HPhttps://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/fukujinhishitsusteroid/
…多い。
病院で風邪薬を処方された時も副作用の紙をもらいますが、薬を飲んで副作用を感じることはあまり多くないと思います。
副作用を感じても、「眠くなる」とかそのくらいだと思います。
しかし、ステロイドを服用するとしっかり副作用を実感します。
副作用として書いてあることと同じ症状も出るし、副作用としては書いていないけれど体感として「これは副作用だな」と感じる症状も出ます。
ステロイドを飲み薬で長期間使用した時の体感を解説していきます。
あくまで私の体感です
あくまで個人の感想で、医学的な解説ではないのでご注意ください。
ステロイド治療を始めて入院中に入院中に感じること
ステロイド治療を始めて入院中に入院中に感じることはこちらです。
- つらかった全身症状がすぐに楽になる(皮膚症状以外)
- 夜眠れない
- ご飯が美味しい。完食しちゃう
- 顔は確かに丸くなる(ムーンフェイス)
- 入院が長く、暇になる
では解説していきます。
つらかった全身症状がすぐに楽になる(皮膚症状以外)
これはステロイドの効果になります。
病気の根本的な治療にはなりませんが、症状を抑えるのにはてきめんに効果があります。
熱が出ていたり、関節が痛かったり、すごくだるくてもステロイドを飲み始めるとスッと楽になります。
私の場合は、熱が出て下がらずつらかった症状が、入院してステロイドを服用すると次の日には熱が下がってびっくりするほど楽になりました。
ただ、体に発疹が出ている時は、ステロイドを服用して、ステロイド入りの軟膏を塗りましたが、発疹がなくなるまでは一週間以上かかりました。
症状が出ている部位によっては改善を実感する速度に違いがありそうです。
夜眠れない
ステロイドの副作用 6.精神症状 の中に不眠症があります。
入院直後は多くのステロイドを服用することになりますが、ステロイドを多く服用すると夜眠れなくなります。
吹き出し 夜、部屋が暗くなって目をつむっても全然眠れない…
私がステロイド治療で入院して一番辛かったのがこれです。
昼寝していなくても、夜全然眠れなくて辛かったです。
なれない病院だから寝られないのかな?と考えたこともありますが、
ステロイドの量を増やさない入院の時は初日から眠れたので、ステロイドの影響は大きいんだなと思いました。
入院の初めはステロイドの量が多いですが、徐々に量が減ってくると眠れるようになってきます。
ご飯が美味しい 完食しちゃう
これは、上記のステロイドの副作用には書いてありませんが実際に感じたことです。
ステロイド治療を始めて症状が良くなると、ご飯が美味しく感じます。
一般的な病院のご飯は、ご飯が進むような味の濃いおかずは無いと思います。
私が通院している大学病院の味は美味しいのですが、ご飯は進みません。
薄味なので、普通だったらおかずが足りなくなったり物足りなくなったりすると思うのですが、ステロイド治療を始めると妙にご飯が美味しく感じました。
私は毎食完食していました。
ステロイドの副作用 ⒉糖尿病 と書いてありますが、治療中は糖尿病になるリスクがあるので、病院で出されたご飯以外に自分で持ち込んで食べることは禁止されることが多いです。
ステロイドのせいで食欲が増して食べ過ぎるとまずいので、おやつなどの間食は注意しましょう。
顔は確かに丸くなる(ムーンフェイス)
これはステロイドの副作用 5.満月様顔貌(ムーンフェイス) です。
看護師さんに副作用の説明をされた時に、顔が丸くなると言われてもピンときませんでした。
もともと輪郭が細い方でもなかったですし、入院中も顔の丸さを意識することはありませんでしたが、
当時の写真を見返すと、顔まん丸…
びっくりするくらい丸い。
今はステロイドの量が少ないので丸くありません。
美容に気を使っている方がステロイド治療を始めると、鏡を見てショックを受けることもあるかもしれませんが、ステロイド減少と共にもとに戻るので安心してください。
むしろ、後から写真を見ると「この頃は顔丸かったなー!」と笑い話になると思うので、私としてはもっと写真を撮っておけばよかったなと思うくらいです。
入院が長くなって入院中は暇になる
これはステロイドの副作用ではありませんが、
ステロイドを飲むとこうなるのか
と入院中に実感したことです。
ステロイド治療を始めて症状が楽になっても、入院期間は長いです。
症状が楽になって、気分が良いのに入院期間が長いので、入院中はかなり暇です。
ステロイド治療は、始めるときに一気にステロイドの量を増やして、徐々に量を減らしていきます。
そして、ステロイドの量が一定量まで少なくならないと退院できません。
一週間、一定量のステロイドを飲んで、状態に問題なければステロイドの量をちょっと減らす
一週間、ちょっと減らしたステロイドを飲んで、状態に問題がなければステロイドの量をもうちょっと減らす
一週間、もうちょっと減らしたステロイドを飲んで、状態に問題がなければステロイドの量をさらにもうちょっと減らす
一週間、さらにもうちょっと減らしたステロイドを飲んで、状態に問題がなければ…繰り返し
こんな感じです。
先ほど書いたように、ステロイド治療を始めると症状はすぐに楽になります。
楽になってからのステロイドの減量の期間が長く、かなり暇です。
本、テレビ、インターネットなどを駆使して入院生活を乗り切りましょう。
退院後にステロイドを飲み続けることで感じること
退院後にステロイドを飲み続けることで感じることはこちらです。
- 体調が悪くても熱が出ない
- 飲み忘れると体がだるい
- ステロイドはやめられない
では、解説していきます。
体調が悪くても熱が出ない
ステロイドは炎症を抑える薬なので、服用すると熱が下がります。
結果、普段の生活でちょっとした風邪を引いても熱が出ません。
さらにステロイドの副作用 1.易感染性 があるので、感染症にかかりやすいです。
感染症にかかりやすいけど、熱が出ない
気づいた時には重症になってた!
ということになりかねません。
私自身、普段の生活で熱は出ません。
熱が出るときは、インフルエンザやコロナ等のウイルスに感染した時か、原因がすぐに分からずに重症化して入院するかのどちらかです。
入院中は看護師さんに、感染症に気を付けるように厳重に言われましたが、退院してから感染予防の重要性を実感しました。
風邪を引かないように気を付けましょう。
飲み忘れると体がだるい
薬を飲み忘れると、体がだるくなったり、体調の変化を感じて飲み忘れに気付きます。
ステロイドの量が多い時は飲み忘れても体調に変化がないことも多いです。
しかしステロイドを減量していくと、ステロイドを飲まないと体調が悪いと感じることが出てきます。
飲み忘れて症状の悪化につながるとまずいので、処方された薬は飲み忘れないように注意しましょう。
飲み忘れはだめ!
ステロイドはやめられない
もともとステロイドは自分の体の中で分泌されています。
自分の体からで分泌されているステロイドホルモンの量は一日に2.5~5㎎程度といわれています。
しかし、ステロイドの薬を服用すると自分の体の中でステロイドホルモンが分泌されなくなります。
体からステロイドホルモンが分泌されないので、一日の最低限のステロイドの量5㎎を薬で維持する必要があります。
そのため、一度ステロイド治療を始めるとステロイドを飲み続けることになる可能性が高いと思います。
もちろん、中には病気の経過が良くてステロイドを飲まなくて良くなる方もいると思いますが、少なくとも私の主治医からはステロイドを減量して一日5㎎を維持するのが最終目的だとの説明を受けました。
ご自身の主治医と一緒に治療の方針を考えていきましょう。
まとめ
この記事ではこの三点について説明しました。
- ステロイドの効果
- ステロイドの副作用
- つらかった全身症状がすぐに楽になる(皮膚症状以外)
- 夜眠れない
- ご飯が美味しい。完食しちゃう
- 顔は確かに丸くなる(ムーンフェイス)
- 入院が長く、暇になる
- 体調が悪くても熱が出ない
- 飲み忘れると体がだるい
- ステロイドやめられない
これからステロイド治療をはじめる方
入院中の方
ステロイドに対して不安を感じている方
そんな方に少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。
私はステロイドを飲み続けて10年以上ですが、
子どもを三人出産して普通の人と同じ生活ができています。
自分なりに薬と上手く付き合って行きましょう。
ご覧いただきありがとうございました。